スーパーのレジで「あれ、また値段変わった?」と二度見したり、ニュースで「1ドル○○円」という数字を見ても、結局それが自分の生活とどうつながるのかピンと来ないままスルーしてしまったり。今週もそんな1週間だった方、多いのではないでしょうか。この記事では、9月26日〜10月2日にあったお金まわりのニュースを、経済ニュースを普段まったく読まない人でも最後まで読めるように、身近なたとえ話を交えながらまとめました。難しい専門用語はいったん脇に置いて、「で、結局うちの財布にはどう関係あるの?」というところまで一緒に見ていきましょう。

今週のダイジェスト

  • 円相場が一週間で大きく動き、金曜の朝には144円台まで変化しました
  • 10月に入り、飲食料品など3153品目が値上げされています
  • 長年もめていたビール系飲料の税率が、ついに一本化されました
  • 住宅ローンの金利が軒並み上昇、フラット35は過去最高を更新
  • お米は7週連続の値下がりで、数少ない家計の朗報でした
  • 佐川急便など複数の会社で、個人情報漏えいの疑いが発覚
  • ドンキがトイザらス事業を取得するなど、業界再編の動きも活発でした
YU人
YU人
今週もお金のニュース、ぎゅっと詰まってる感じがする!
とりじん
とりじん
そうなんだよ、しかも為替は週の中でもかなり動きが大きかった。順番に見ていこう

為替(円安・円高)のジェットコースター

重なり合った日本円の一万円札の写真、円安・円高の値動きをイメージ

円安というのは、同じ100円で買える海外のものが減ってしまうこと。海外旅行先でのお土産が去年より一回り小さくなってしまうようなイメージを持ってもらうと分かりやすいかもしれません。逆に円高は、その反対で海外のものが相対的に安く買えるようになる方向の動きです。先週は1ドル159円台までの円安進行をお伝えしましたが、今週はそこから一転、円高方向への動きが目立つ1週間になりました。

週の始まり、月曜(9/26)の朝は1ドル156円台。政府・日銀による為替介入への警戒感から円が買い戻され、先週末の159円台からいったん落ち着きを見せました。その後も週の半ばにかけては157円台まで戻す場面がありつつ、日曜(9/28)には日米当局の協調対応が意識されて円が値上がりする展開に。そして迎えた金曜(10/2)の朝には、一時1ドル144円台まで円の価値が上がる場面がありました。1週間のうちに10円以上動くのは普通ではないほど大きな値動きで、為替介入への警戒感や要人発言、米国の金利動向などが複雑に絡み合った結果とみられます。

で、うちの財布はどうなる? 円高方向に動いている間は、輸入品や海外旅行の費用が割安になりやすい方向です。ただし、これだけ短期間に大きく動くと、今度は企業の業績や株価に水を差す可能性もあり、一概に「家計にとって良いニュース」とは言い切れません。数日単位の上下に一喜一憂するより、「今は値動きが荒い局面なんだな」くらいの体感を持っておくとよさそうです。

正直なところ、私も「156円」「144円」という数字だけを追いかけても実感が湧きにくいのですが、「輸入品や海外旅行が高くなりやすい状態か、安くなりやすい状態か」というひとことに置き換えると、急にニュースが自分ごとに感じられます。今週のように振れ幅が大きい週は、大きな買い物のタイミングを急がず、少し様子を見るのも一つの手かもしれません。

食品・日用品の値上げラッシュ

スーパーの青果・食品売り場の棚の写真、食品の値上げをイメージ

10月は値上げが集中する月だと聞いたことがある方も多いはず。帝国データバンクの調査によると、今年最大規模となる3153品目の飲食料品が今月値上げされるということが分かりました。ペットボトル飲料やチョコレート菓子など、日常的に買うものが多く含まれているのが気になるところです。これに加えて、郵便料金をはじめとした数千品目の値上げも10月に集中しており、まさに「値上げラッシュ」と呼ぶにふさわしい月のスタートになりました。

生鮮食品では、長雨や天候不順の影響で白菜やトマトなどの野菜が平年より3割以上高くなる見込みです。あわせて、卵の卸売価格も飼料価格の高止まりや猛暑の影響で、年末にかけて例年より高い水準が続く見通しだといいます。「物価の優等生」と呼ばれてきた卵まで値上がり傾向というのは、じわじわと効いてくる話です。

一方で明るい材料もありました。高止まりしていたお米の価格が、新米の流通量の回復を背景に7週連続で値下がりし、5キロあたり2926円に。すべてが値上がり一辺倒というわけではなく、品目によって値動きの方向がバラバラなのが今の物価の特徴と言えそうです。

で、うちの財布はどうなる? 4人家族なら、月々の食費が数百円〜千円単位でじわじわ増えていく可能性があります。ただしお米のように値下がりしている品目もあるので、値上がり分と値下がり分を家計全体で差し引きして考えるのがポイントです。野菜や卵をよく使う家庭は、冷凍保存できる食材でやりくりするなど、買い方の工夫で影響をいくらか和らげられそうです。

値上げのニュースばかり見ていると気が滅入ってしまいますが、同じ週にお米の値下がりという明るい話もあったのは救いでした。「全部が一斉に上がっているわけではない」という視点を持っておくだけでも、ニュースへの向き合い方が少し変わる気がします。

お酒の税金がついに変わった話

黄色い花のそばに置かれたビールジョッキの写真、ビール系飲料の税金をイメージ

ビール、発泡酒、いわゆる「第3のビール」は、実はこれまで税金の金額がそれぞれ違っていました。メーカー各社が税金の安い新しいジャンルの商品を開発しては、国が追いかけて増税するという「イタチごっこ」が、実に30年にわたって続けられてきたのです。この税率が、今週10月1日からついに一本化されました。

一本化の結果、ビールは値下げ、第3のビールは値上げという構図になります。税収を安定させたい政府側のメリットが先行する形となり、普段から第3のビールを選んでいた家庭からは負担増を懸念する声も上がっているようです。価格差が縮まることで、各社の商品開発や販売競争が今後さらに激しくなると見込まれています。

で、うちの財布はどうなる? 普段どのお酒を選んでいるかによって、影響が真逆になるのがこの話のポイントです。ビール党の方は少し負担が軽くなり、第3のビールや発泡酒党の方はわずかに負担が増える計算になります。値段の動きが落ち着くまで、スーパーでの価格をいつもより少しだけ気にしてみるとよさそうです。

30年続いた攻防にようやく区切りがついたと思うと、お酒の値札を見る目もちょっと変わってきます。値段だけでなく「この税率にはこんな歴史があったんだな」と知っておくと、晩酌のときの話のタネにもなりそうです。

住宅ローン・資産形成の動き

鍵と書類が置かれた木製の住宅模型の写真、住宅ローンをイメージ

住宅ローンを組んでいる方、これから組もうとしている方にとっては見逃せないニュースが続きました。大手銀行5行が発表した10月の住宅ローン金利は、日銀の利上げを受けて3行が「変動金利」を引き上げ、「固定金利」については5行すべてが引き上げる結果に。あわせて、全期間固定金利型の「フラット35」も10月の最低金利が3.830%となり、これまでの記録を更新して過去最高となりました。

資産形成の面でも動きがありました。NISAと並んで人気の「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、原則60歳まで引き出せないという制約があるのですが、これを考えずに無理な掛金を設定してしまい、日々の生活が苦しくなる「iDeCo貧乏」に陥るケースが増えているとして注意が呼びかけられています。また、教育資金づくりを目的とした新しい非課税投資枠「こどもNISA」も、いよいよ開始に向けた準備が進んでいます。

で、うちの財布はどうなる? 変動金利で借りている方は、毎月の返済額がじわじわ上がっていく可能性を頭の片隅に置いておきたいところです。これから住宅ローンを組む方は、フラット35が過去最高というタイミングだからこそ、急いで決めずに複数の金融機関のプランを比べる時間を持つことが結果的に得になる場合もあります。iDeCoは節税メリットが大きい制度ですが、「使えないお金」になってしまう金額までは入れないよう、無理のない範囲で続けるのが安心です。

金利のニュースは「上がった」「据え置いた」という言葉だけを聞くと他人事に感じてしまいがちですが、住宅ローンを組んでいる知人が「返済額のシミュレーションを一度やってみた」と話していて、なるほど行動に移すならこのタイミングかと感じました。iDeCoやこどもNISAのような制度は、始めるかどうかより先に、まず情報だけでも早めに集めておくと得をするかもしれません。

政府の支援策・制度の動き

物価高が続くなか、政府側の対策の議論も動いています。消費税の減税措置と、所得水準に応じた現金給付を組み合わせた新しい法案の概要が今週判明しました。今後の国会論戦を経て、私たちの手取りがどう変化するのか注目されるところです。

社会保障の分野では、厚生労働省が介護保険制度において利用者の預貯金などをより正確に把握するための検討会を開催。今後の介護費用の自己負担割合や、制度そのものの持続可能性に直結する議論が進行中です。成長戦略の面では、高市首相がAIや宇宙など17の国家戦略分野において、革新的なアイデアを持つスタートアップ企業の積極的な参画と牽引に期待を示しました。

で、うちの財布はどうなる? 消費税減税や給付の話は、実現すればスーパーでの買い物に直接効いてくる話なので、今すぐ何かする必要はなくても、続報はチェックしておく価値があります。介護保険の自己負担割合の見直しは、ご自身やご家族の将来の介護費用に関わってくる話なので、早めに制度の動向を知っておくと、いざという時に慌てずに済みそうです。

制度の話はどうしても「決まってから考えよう」と後回しにしがちですが、介護保険のように何十年も先の自分に関わってくる話ほど、早めに情報だけでも拾っておくことが結局は一番の安心材料になるのだろうと感じます。

企業・お店をめぐる大きな動き

貯金箱から硬貨がこぼれ出ている写真、企業や家計のお金の動きをイメージ

小売・物流の分野では大きな動きが相次ぎました。宅配大手の佐川急便は、来年から宅配便の運賃を平均13%値上げすると発表。ドライバー不足や物流コストの高騰が背景にあり、ネット通販やフリマアプリをよく使う方の生活にも負担増として響きそうです。一方で、ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは「トイザらス」事業を取得すると発表し、小売業界の勢力図を塗り替える一手として注目を集めました。

意外な業界再編もありました。東海地方でおなじみのラーメンチェーン「スガキヤ」が、日本初のハンバーガーチェーンである「ドムドムハンバーガー」を完全子会社化。老舗外食ブランド同士のタッグに驚いた方も多いのではないでしょうか。地方銀行では、青森みちのく銀行・岩手銀行・秋田銀行の東北3行が経営統合に向けた協議に入り、人口減少が続く地方での金融再編の動きが加速しています。

企業の明暗も分かれました。不正会計問題で揺れた大手モーターメーカーのニデック(旧日本電産)は5646億円という過去最大の赤字を計上し、新たに就任した社長が「品質第一の会社に戻す」と再建を誓いました。節約志向では、ローソンの「297円弁当」が、おかずの種類を絞り製造工程をシンプルにする徹底したコスト削減によって大ヒット中です。

で、うちの財布はどうなる? ネット通販やフリマアプリをよく使う方は、佐川急便の値上げが来年以降、送料や商品価格に転嫁されていく可能性があります。お弁当や惣菜でコストを抑えたい方にとっては、ローソンの297円弁当のような徹底的な低価格路線の商品は、今後の値上げラッシュのなかで強い味方になってくれそうです。

老舗同士の子会社化や地銀の経営統合のニュースを見ていると、業界の垣根を越えた再編がこれだけ身近なところで起きているのかと驚かされます。企業のニュースは自分には関係ないと思いがちですが、巡り巡って店頭の値段やサービスの形に表れてくるので、ちょっとだけ気にかけておきたいところです。

相次いだ個人情報漏えいのニュース

南京錠とパソコンのキーボードの写真、個人情報の漏えい対策をイメージ

今週は、身近なインフラ企業での不正アクセス・情報漏えいのニュースが目立った1週間でもありました。東京メトロのシステムに不正アクセスがあり、利用者のメールアドレス約5万9千件が流出した可能性が判明。駐車場シェア「タイムズ」を運営するパーク24でも不正アクセスにより、会員の運転免許証情報など最大約660万件の個人情報が漏えいした可能性が発表されました。そして週の終わりには、宅配大手の佐川急便でもシステムへの不正アクセスが発覚し、顧客の住所や氏名などの個人情報が漏えいした可能性が浮上しています。

で、うちの財布はどうなる? 直接お金が引き出されるわけではなくても、流出した情報を悪用したフィッシング詐欺(偽のメールやSMSで個人情報やお金をだまし取る手口)などの二次被害につながる恐れがあります。普段利用しているサービスから「情報漏えいのお知らせ」が届いていないか、この機会に一度メールボックスを確認しておくと安心です。

1週間でこれだけ複数の会社から同じようなニュースが続くと、「便利に使っているサービスの裏側には、常にこうしたリスクもあるんだな」と改めて感じます。パスワードの使い回しをやめる、身に覚えのない連絡には安易に反応しないといった基本的な対策を、こういうタイミングで見直すようにしています。

海外のお金の話

今週の為替の動きの背景には、海外の事情も関わっています。片山財務相と米国のベッセント財務長官が電話会談を行い、日米の経済協力強化を確認。激しい為替変動を背景に、両国の政策連携がどのように進むのか市場の関心が高まっています。また、中国では建国記念日にあたる「国慶節」の大型連休が始まりましたが、中国国内の景気減速などの影響で、日本を訪れる中国人旅行者は例年より減少する見通しだといいます。

で、うちの財布はどうなる? 観光業やインバウンド関連のお仕事をされている方にとっては、訪日客の減少見通しは売上に直接関わってくる話かもしれません。それ以外の方にとっても、日米の政策連携は為替の動きに波及しやすいテーマなので、「海外の大きな話は、巡り巡って円安・円高にもつながっている」という感覚だけ持っておくとよさそうです。

海外のニュースはどうしても「自分には関係ない」と読み飛ばしてしまいがちですが、今週のように財務相同士の会談が為替の話題と重なっているのを見ると、意外と身近なところにつながっているんだなと感じます。難しい専門用語よりも「どこかで自分の財布とつながっている」という視点だけ持っておきたいものです。

今週のまとめ

今週を振り返って一番印象に残ったのは、円相場が1週間のうちに10円以上も動いたことです。先週は円安が進んでいたのに、今週は一転して円高方向へ。ニュースの見出しだけを追いかけていると振り回されてしまいそうになりますが、「為替は短期間でも大きく動くことがある」というくらいの、ざっくりした心構えを持っておくだけで、日々の値上げ・値下げのニュースにも少し落ち着いて向き合えるようになる気がします。

もうひとつ印象的だったのは、ビール系飲料の税率一本化です。30年続いた「イタチごっこ」に区切りがついたというニュースは、普段何気なく手に取っているお酒の値段にも、長い歴史と政策の攻防が隠れていたんだなと感じさせられました。値上げ・値下げのニュースを「得した・損した」だけで終わらせず、その裏側にある背景を知っておくのも、ニュースを楽しく読むコツなのかもしれません。

個人情報漏えいが相次いだ週でもあったので、お金の話とあわせて、身の回りのセキュリティも見直すきっかけにしていただけたらと思います。大きな数字が並ぶニュースほど「自分には関係ない」と読み飛ばしてしまいがちですが、少し立ち止まって「これは巡り巡ってどこに効いてくるだろう」と考えるだけでも、ニュースの見え方が変わってくる気がします。来週もまた、家計にとって気になるニュースをこの場でまとめていきますので、よろしければ次回もチェックしてみてください。

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よくある質問

Q. 今週、円安と金利はどう変わったのですか?
A. 週の始めは1ドル156円台でしたが、週の半ばには157円台まで戻す場面もありました。そして金曜の朝には一時144円台まで、短期間に大きく円高方向へ動く場面がありました。住宅ローン金利は大手銀行5行が10月の金利を発表し、変動・固定とも軒並み引き上げられています。

Q. 今週、家計にとって一番大きな変化は何ですか?
A. 10月に入り、飲食料品3153品目の値上げやビール系飲料の税率一本化など、値段に関わる制度変更が集中しました。一方でお米は7週連続の値下がりとなり、値上がりと値下がりが同時に進んだ1週間でした。