【インフルエンザかも 市販薬】飲んでいい?今夜見るのは箱の成分欄
夜9時、急に寒気がして熱を測ったら38℃台。関節もギシギシ痛む。「これ、インフルエンザかも…」と思っても、かかりつけの病院は明日の朝まで開きません。救急箱には総合かぜ薬と、いつもの痛み止め。この市販薬、今夜飲んでいいのか。子どもが熱を出した夜なら、迷いはもっと大きいはずです。
この記事では、厚生労働省のQ&A、PMDA(医薬品医療機器総合機構)に掲載されている一般用医薬品の添付文書、自治体や日本小児科学会の資料をもとに、救急箱の前で何を確かめればいいかを順番に整理しました。先に答えを言うと、見るのは商品名ではなく、箱の「成分」欄と「してはいけないこと」欄などの注意書き。飲んでいいかどうかを決めるのは私ではありません。箱に書かれた文字と、薬剤師・登録販売者・医師です。
内容は2026年10月19日時点で確認した資料にもとづいています。商品名は出さず、成分名だけで書いていきます。
- 夜に急な熱、「インフルエンザかも」で救急箱の前で止まる5つの声
- 【結論】インフルエンザかもしれない夜、市販薬を飲んでいいかは箱の2か所を見てから
- 薬を探す前に:今夜のうちに受診・相談したいサイン
- 救急箱を全部テーブルに出す:仕分けの準備は「成分」と「してはいけないこと」の欄
- 仕分け①「15歳未満は服用しない」と書いてある箱は、子ども用の山から外す
- 仕分け②病院でもらった薬の残りは、今夜は使わない山へ
- 仕分け③解熱鎮痛の成分が重なる組み合わせは、同時に飲まない
- 子どもの熱に使う解熱剤:公的資料で名前が挙がっているのはアセトアミノフェン
- 大人が残った箱を読むとき:「相談すること」欄に当てはまれば薬剤師へ
- もう飲んでしまったときは、成分・量・時刻をメモして受診時に伝える
- 薬の前後に今夜できること:水分・休む・一人にしない
- 明日の病院:48時間の目安と、持っていく物
- 熱が下がっても、外出は数えてから
- 予防接種がまだの人へ:12月中旬までと、腕の腫れの目安
- やりがちな失敗4つ
- よくある質問
- まとめ:今夜は「受診サイン→箱の仕分け→迷ったら相談」の順で
夜に急な熱、「インフルエンザかも」で救急箱の前で止まる5つの声
熱が出た夜、薬について迷うポイントはだいたい同じ。よく聞くのは次の5つです。
- 市販のかぜ薬を、もう飲んでしまった。インフルエンザだったら大丈夫なのか
- 手元にある解熱鎮痛薬は、インフルエンザのときに飲んでいいのか
- 子どもが熱を出した。大人用の薬を半分にして飲ませてもいいのか
- 今夜のうちに病院へ行くべきか、明日の朝まで待っていいのか
- 予防接種がまだ。打ったあとの腕の腫れはどれくらい続くのか
どれも「誰かに『大丈夫』と言ってほしい」気持ちから出てくる疑問です。ただ、熱の原因も体の状態も薬の中身も人それぞれ。ネットの記事が一律に「飲んでいい」と答えられる話ではありません。そこでこの記事は、答えそのものではなく、答えにたどり着くための確かめる順番をお渡しします。
今年は流行が早い点も押さえておきたいところ。厚生労働省「令和8年度冬季 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」(令和8年9月30日版)によると、インフルエンザは例年12月〜3月頃に流行しますが、令和8年は8月28日に流行入りが公表されました。感染症法が施行された1999年以来、二番目に早い時期です。10月の夜に急な熱が出て、この記事にたどり着いた人も少なくないと思います。
【結論】インフルエンザかもしれない夜、市販薬を飲んでいいかは箱の2か所を見てから
インフルエンザかもしれない夜に、市販薬を飲んでいいか。先に確かめたいのは次の2つです。
- 今夜のうちに受診・相談したいサインに当てはまらないか(次の見出しで説明します)
- 箱(または中の説明書)の「してはいけないこと」欄と「用法・用量」欄に、自分や子どもが当てはまる注意がないか
この2つを見ても判断がつかないときは、薬剤師・登録販売者に相談するか、受診する。順番はこれだけです。
もう1つ、知っておくと気持ちが整理しやすい事実があります。厚生労働省のQ&Aで「インフルエンザに対する治療薬」として挙がっているのは、抗インフルエンザウイルス薬です。受診したときに医師が使うかどうかを判断する薬で、市販の解熱鎮痛薬とは別物。PMDAに掲載されている市販の解熱鎮痛薬の添付文書を見ると、効能・効果欄にあるのは痛みの鎮痛と「悪寒・発熱時の解熱」です。今夜の市販薬は、熱やつらさをやわらげるためのもの。そう位置づけておくと、「薬を飲んだから病院は行かなくていい」という勘違いを防げます。
薬の箱を開ける前の、いちばん大事な関門です。ここで当てはまる項目があれば、薬で様子を見るより先に、医療機関への相談を考えるタイミング。
薬を探す前に:今夜のうちに受診・相談したいサイン
厚生労働省のQ&A(令和8年9月30日版)は、症状があるときの過ごし方として、次のように書いています。
- 高熱が続く
- 呼吸が苦しい
- 意識状態がおかしい
「など具合が悪ければ早めに医療機関を受診しましょう」というのが同Q&Aの表現です。大人も子どもも、まずはここが基準になります。
子どもの場合は、日本小児科学会の「こどもの救急(ONLINE-QQ)」も役に立ちます。「発熱(38℃以上)」のページでは、次のような項目にチェックを入れると、受診の目安が表示される仕組みです。
- 元気がなく、ぐったりしている
- 呼吸があらく、苦しそう
- 顔色・皮膚色が悪い
- ずっとうとうとしている
- 生後3か月未満である
結果の判定はサイト上で行われるので、この記事では「この項目なら救急車」といった区分は作りません。当てはまる項目があれば、そのままサイトで「結果をみる」まで進めるのが確実です。
電話で相談したいなら、子ども医療電話相談「#8000」があります。厚生労働省のまとめ(令和8年5月22日現在)では47都道府県で実施されていて、受付の時間帯は都道府県ごとに違います。
そして、子どもがインフルエンザかもしれない夜にもう1つ。厚生労働省のQ&Aでは、インフルエンザで自宅療養するときは、薬を飲んだかどうかや種類にかかわらず、少なくとも発熱から2日間は、保護者等が転落などの事故を防ぐ対策をとるよう呼びかけています。玄関や窓の施錠を確実にする、ベランダに面していない部屋で寝かせる、といった例が挙がっていました。
救急箱を全部テーブルに出す:仕分けの準備は「成分」と「してはいけないこと」の欄
受診サインに当てはまらなかったら、いよいよ救急箱の出番です。中身をテーブルに全部出してみましょう!かぜ薬、解熱鎮痛薬、前に病院でもらった薬の残り。箱がなく、中身のシートだけ残っているものもあるはずです。
見るのは、外箱か、箱の中に入っている説明書(添付文書)の次の4か所です。
| 欄の名前 | そこで確かめること |
|---|---|
| 成分・分量 | どんな成分が入っているか(商品名ではなく成分名で見る) |
| してはいけないこと | 服用しない人(年齢・持病・ぜんそくの経験など)、一緒に飲まない薬、飲酒 |
| 相談すること | 飲む前に医師・薬剤師などへ相談したほうがいい人 |
| 用法・用量 | 年齢ごとの1回量、1日の回数、服用の間隔 |
手元にメモ用紙とペンも用意しておくと、あとで受診するときにそのまま使えます。
なぜ商品名ではなく成分名なのか。理由はシンプルで、似た名前の商品でも中身の成分が違うことがあり、逆に名前がまったく違う商品に同じ成分が入っていることもあるからです。登録販売者として私が伝えたいのも、まさにこの「箱の成分欄を見る」という一点。仕組みの細かい話は置いておいて、文字を読む作業から始めます。

仕分け①「15歳未満は服用しない」と書いてある箱は、子ども用の山から外す
最初の仕分けは年齢です。子どもに使えるかどうかは、箱の年齢の書き方で分けます。
PMDAに掲載されている一般用医薬品の添付文書を見ると、イブプロフェン配合の解熱鎮痛薬の一例では、「してはいけないこと」の「次の人は服用しないでください」に「15才未満の小児」と書かれていました。ロキソプロフェン配合の解熱鎮痛薬の一例でも同じように「15歳未満の小児」。用法・用量の欄にも「15歳未満の小児:服用しないこと」とはっきり書かれています。
こうした表示のある箱は、子ども用の山には入れません。半分に割っても、量を減らしても同じです。
年齢の決まりは、製品ごとの添付文書の「用法・用量」欄に書かれています。同じ成分名でも、基準は手元の箱の年齢欄。そこを読んで判断に迷う箱は、薬剤師か登録販売者に箱ごと見せてください。
量を減らせば子ども用になる?そうではありません。年齢の制限は「何歳なら何錠」の話とは別の、「その年齢では使わない」という約束です。
仕分け②病院でもらった薬の残りは、今夜は使わない山へ
救急箱に、以前病院でもらった解熱剤の残りが入っていることがあります。きょうだいが前にもらった薬、家族の誰かの薬。これは今夜は使わない山に分けます。
根拠は、厚生労働省の報道発表(平成14年3月8日)に別紙として付けられた日本薬剤師会の啓発文です。そこには、処方された薬は医師がその人の状態を診察して選んだものだという説明に続けて、次の一文がありました。
特に、大人に処方されたものを、量を減らしたからといって子供に使用するのは大変危険です。
同じ啓発文は、同じ症状が出たからといって以前に渡された薬を自己判断で使わないこと、その場合はあらためて医師の診察を受けることも呼びかけています。前回楽になった気がする薬ほど手が伸びやすいもの。だからこそ、残り薬は「今夜は使わない」と最初に決めてしまうのがラクです。
どうしても気になる残り薬があるなら、受診のときに持っていき、医師や薬剤師に見せて相談しましょう。
ここが3つ目の仕分けです。1つずつなら問題のない薬でも、組み合わせると話が変わります。
仕分け③解熱鎮痛の成分が重なる組み合わせは、同時に飲まない
PMDAに掲載されているイブプロフェン配合、ロキソプロフェン配合の解熱鎮痛薬の添付文書には、どちらにも「本剤を服用している間は、次のいずれの医薬品も服用しないでください」として、次の3つが並んでいました。
- 他の解熱鎮痛薬
- かぜ薬
- 鎮静薬
つまり、解熱鎮痛薬を飲んでいる間にかぜ薬を重ねることは、添付文書そのものが「しない」と書いている組み合わせです。
実際に確かめるときは、2つの箱の「成分」欄を横に並べてみるのがいちばん早い方法。かぜ薬の成分欄に、アセトアミノフェン、イブプロフェンなど、解熱鎮痛薬と同じ成分名が並んでいないか。かぜ薬の箱の「してはいけないこと」欄にも、一緒に飲まない薬が書かれていないか。この2点を見るだけでも、重ね飲みにはかなり気づけます。
成分名が多くて見分けがつかない、どれが解熱鎮痛の成分なのか分からない。そんなときは自分で決めず、薬剤師か登録販売者に2つの箱をそのまま見せて相談してください。夜間で相談先が見つからないときも、2つの箱を同時に飲むことはしない。具合が悪くなったら、3つ目の見出しの受診サインに戻りましょう。
子どもの熱に使う解熱剤:公的資料で名前が挙がっているのはアセトアミノフェン
「インフルエンザ 解熱剤 市販 子ども」で調べると、情報はたくさん出てくるもの。ここでは公的な資料に書かれていることだけを、年とあわせて並べます。
①日本小児科学会の見解(2000年)
厚生労働省の報道発表(平成13年5月30日)によると、日本小児科学会は平成12年(2000年)11月、「インフルエンザに伴う発熱に対して使用するのであればアセトアミノフェンが適切であり、非ステロイド系消炎剤の使用は慎重にすべきである」旨の見解を公表しています。
②千葉県薬務課(2026年1月更新)
千葉県のページ「新型コロナウイルス感染症における市販薬の服用について」(令和8年1月9日更新)には、注記として「お子様のインフルエンザの解熱に使用する場合は、有効成分がアセトアミノフェンのみの製品を使うようにしましょう」とあります。
③名古屋市(2025年10月更新)
名古屋市「インフルエンザの受診と療養」(2025年10月16日更新)は、「15歳未満の方は、解熱剤(市販薬を含む。)の種類によっては、インフルエンザ脳症を重症化させることがあります。服用するときは、医師、薬剤師に相談しましょう」と呼びかけています。
背景にあるのは、20年以上前の安全対策です。厚生労働省の報道発表(平成14年3月8日)によると、平成10年(1998年)12月にアスピリン、エテンザミド、サリチルアミドなどのサリチル酸系の成分について、15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とする使用上の注意の改訂が指示されました。平成13年(2001年)5月にはジクロフェナクナトリウムにも同様の改訂が指示され、同じ年にメフェナム酸は「小児のインフルエンザにともなう発熱に対して基本的に投与しない」旨が合意されています。かぜ薬の成分欄にエテンザミドなどの名前がないかも、子どもに使う前の確認ポイントになります。
ここまで読んで「アセトアミノフェンと書いてあれば子どもに使っていい」と受け取るのは、まだ早い。名前が挙がっているのは成分であって、どの製品でも、何歳でも、どんな量でも使っていいという意味ではありません。何歳から使えるか、1回の量、服用の間隔は、製品ごとの「用法・用量」欄で決まっています。かぜ薬にはアセトアミノフェン以外の成分も一緒に入っていることがあるので、千葉県の注記が「アセトアミノフェンのみの製品」と書いている点は見逃せません。
子どもに使う前は、箱の年齢欄と成分欄を確かめたうえで、薬剤師に相談するか、かかりつけの小児科に電話で確認する。これが名古屋市の呼びかけにも沿った手順です。
大人が残った箱を読むとき:「相談すること」欄に当てはまれば薬剤師へ
大人の場合も、手順は同じです。仕分けで残った箱の「してはいけないこと」と「相談すること」を、自分に当てはめながら読みます。
PMDAに掲載されているイブプロフェン配合の解熱鎮痛薬の一例では、「次の人は服用しないでください」に次のような項目がありました。
- 本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人
- 本剤又は他の解熱鎮痛薬、かぜ薬を服用してぜんそくを起こしたことがある人
- 出産予定日12週以内の妊婦
同じ添付文書の「相談すること」には、服用前に医師、歯科医師、薬剤師又は登録販売者に相談する人として、医師の治療を受けている人、妊婦又は妊娠していると思われる人、授乳中の人、高齢者、薬などでアレルギー症状を起こしたことがある人、心臓病・腎臓病・肝臓病などの診断を受けた人、胃・十二指腸潰瘍などにかかったことのある人が挙がっていました。「服用前後は飲酒しないでください」という記載もあります。
見落としやすいのが、相談先の書き方も製品で違う点です。ロキソプロフェン配合の一例では、相談先が「医師、歯科医師または薬剤師」となっていて、登録販売者は入っていません。箱に書かれた相談先に合わせて、相談する相手を選んでください。
千葉県のページも、ほかの薬を飲んでいる場合や、妊娠中・授乳中・高齢・病気療養中の場合、薬でアレルギーやぜんそくを起こしたことがある場合、症状が重い・長く続く場合は、主治医や薬剤師に相談するよう案内しています。1つでも当てはまる項目があれば、自分で決めずに相談するのが近道です。
飲んでしまったことを悔やむより、次の一手を打つほうがずっと役に立ちます!
もう飲んでしまったときは、成分・量・時刻をメモして受診時に伝える
箱を確かめる前に飲んでしまった。インフルエンザかもしれないと気づいたのは、そのあとだった。そういう夜もあります。この記事では「大丈夫」とも「危ない」とも言いません。言えるのは、次にやることです。
メモする3つのこと
- 飲んだ薬の成分(箱の成分欄をそのまま書き写すか、箱の写真を撮る)
- 飲んだ量(何錠・何包)
- 飲んだ時刻
受診するときは、このメモと薬の箱(または説明書)を持っていき、医師や薬剤師に伝えます。熱が出始めた時刻もあわせて書いておくと、あとで役に立ちます。
飲んだあとのことは、添付文書にも載っていました。ロキソプロフェン配合の一例では「1〜2回服用しても症状がよくならない場合(他の疾患の可能性も考えられる)は服用を中止し、この添付文書を持って医師、歯科医師または薬剤師に相談してください」。イブプロフェン配合の一例では、同じ趣旨の記載が「5〜6回」となっていました。何回で区切るかも製品ごとに違うので、手元の説明書で確かめてください。
飲んだあとに具合が悪くなった、受診サイン(高熱が続く、呼吸が苦しい、意識状態がおかしい)が出てきた。そのときは3つ目の見出しへ。受診を考える場面です。
薬の前後に今夜できること:水分・休む・一人にしない
薬を飲むか迷っている間にも、できることはあります。厚生労働省のQ&Aが症状のあるときの過ごし方として挙げているのは、十分な休養と水分補給。特に睡眠を十分にとることが大切で、水分はお茶やスープなど飲みたいもので差し支えない、と書かれています。
熱で汗をかいたり食欲が落ちたりすると、水分は思った以上に足りなくなりがちです。経口補水液の飲み方の基本は、経口補水液の正しい飲み方と適量をまとめた記事で整理しています。夏向けの記事ですが、飲み方の考え方は同じです。
部屋の乾燥が気になるなら、加湿も見直しどころ。加湿器をつけているのに朝のどが痛くなる理由を書いた記事に、湿度の見方をまとめています。
子どもが熱を出している夜は、先ほど紹介した厚生労働省の呼びかけ(少なくとも発熱から2日間は転落などの事故を防ぐ対策)も忘れずに。同じQ&Aでは、インフルエンザと診断されて治療が始まったあとの自宅療養でも、少なくとも2日間は小児・未成年者を一人にさせないなどの配慮が必要だとしています。
食べ物や民間療法の「体にいいらしい」話は、この記事では取り上げません。今夜は、休む・水分をとる・見守るの3つで十分です。

明日の病院:48時間の目安と、持っていく物
今夜は受診サインに当てはまらなかった。それなら明日の朝に受診すればいいのか。ここで知っておきたいのが「48時間」という目安です。
厚生労働省のQ&Aによると、抗インフルエンザウイルス薬を適切な時期(発症から48時間以内)から使用すると、発熱期間は通常1〜2日間短縮されます。一方で、症状が出てから2日(48時間)以降に使用を開始した場合は「十分な効果は期待できません」とされています。
同じQ&Aによると、インフルエンザは多くの場合、4〜5日間の発熱などの症状のあと自然に軽快し、抗インフルエンザウイルス薬の重症化予防効果は、高齢者や免疫不全者、小児など重症化リスクが高いと考えられる人以外では限定的とされています。薬を使うかどうかは受診先の医師が判断すること。ただ、受診するつもりがあるなら、市販薬で熱が下がったからといって何日も先延ばしにしないほうがいい、というのがこの数字から読み取れることです。
受診のときに持っていく物
- 飲んだ薬の箱(または説明書)
- 前の見出しで書いたメモ(成分・量・時刻)
- 熱が出始めた時刻と、その後の体温の記録
発熱しているときは、受診前に電話で連絡してほしいとしている医療機関もあります。行く前にホームページを確認するか、電話で聞いておくと当日の流れがスムーズです。
熱が下がっても、外出は数えてから
解熱鎮痛薬を飲んで熱が下がると、「もう出かけても平気かな」と思いがちです。でも、薬で熱が下がることと、人にうつしにくくなることは別の話。
厚生労働省のQ&Aによると、インフルエンザは発症前日から発症後3〜7日間は感染性のウイルスを排出しているといわれ、そのうち発症後1〜3日間はウイルスの平均的な排出量が多いため、外出を控える必要があります。排出されるウイルス量は解熱とともに減りますが、解熱後もウイルスを排出するといわれています。
子どもの学校については、学校保健安全法施行規則で、インフルエンザの出席停止期間が「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」と決められています(同Q&Aより)。病状により、学校医などが感染のおそれがないと認めた場合はこの限りではありません。
大人の職場については、会社ごとに決まりが違います。出勤してよい日の目安は、会社の就業規則や上司に確かめるのが確実です。咳やくしゃみが続いているあいだは、不織布マスクを着けるなど周りへの配慮も同Q&Aで呼びかけられています。
予防接種がまだの人へ:12月中旬までと、腕の腫れの目安
今回は大丈夫だった人、家族は熱がない人に向けて、予防接種の話も少しだけ。厚生労働省のQ&Aでは、インフルエンザは例年12月〜3月頃に流行し、1月末〜3月上旬にピークを迎えるため、12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいとされています。今年は8月28日に流行入りしているので、迷っているなら早めに予約を考えたいところです。
接種のあとに気になる「腕の腫れ」についても、同じQ&Aに目安があります。接種した場所の赤み・はれ・痛みは、接種を受けた人の10〜20%に起こり、通常2〜3日で消えるとのこと。発熱、頭痛、寒気、だるさといった全身の反応は5〜10%に起こり、こちらも通常2〜3日で消えるとされています。帰宅後に異常が見られた場合は、速やかに医師に連絡するよう書かれていました。
季節の変わり目に体調を崩しやすい人は、季節の変わり目に風邪が増える理由と、ふだんからできる対策もあわせてどうぞ。

やりがちな失敗4つ
1. 商品名や「いつもの」で選び、成分欄を見ない
名前が似ていても、中身が同じとは限りません。今夜手に取る箱も、成分欄から読み始めます。
2. かぜ薬と解熱鎮痛薬を重ねて飲む
イブプロフェン配合やロキソプロフェン配合の解熱鎮痛薬の添付文書には、服用中は他の解熱鎮痛薬やかぜ薬を飲まないと書かれていました。両方飲めば早く楽になる、という発想は今夜で卒業です!
3. 大人用の薬や処方薬の残りを子どもに使う
「15歳未満は服用しない」と書かれた市販薬は、量を減らしても子どもには使いません。処方薬の残りも、日本薬剤師会の啓発文が「大変危険」と書いている使い方です。
4. 薬で熱が下がったので、受診や外出の判断を変えてしまう
市販薬は熱やつらさをやわらげるためのもの。受診の目安(48時間)も、外出を控える日数も、熱が下がったことだけでは変わりません。
よくある質問
予防接種のあと腕が赤く腫れました。何日で引きますか?
厚生労働省のQ&A(令和8年9月30日版)では、接種した場所の赤み・はれ・痛みは接種を受けた人の10〜20%に起こり、通常2〜3日で消えるとされています。帰宅後に異常が見られた場合は、速やかに医師に連絡してください。
総合かぜ薬と解熱鎮痛薬を一緒に飲んでいいですか?
PMDAに掲載されているイブプロフェン配合やロキソプロフェン配合の解熱鎮痛薬の添付文書には、服用している間は他の解熱鎮痛薬、かぜ薬を服用しないと書かれています。手元の箱の「してはいけないこと」欄を確かめ、迷ったら薬剤師・登録販売者に箱ごと見せて相談してください。
熱が下がったら外出していいですか?
厚生労働省のQ&Aでは、発症後1〜3日間はウイルスの排出量が多いため外出を控える必要があり、解熱後もウイルスを排出するといわれています。学校の出席停止期間は「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」です。職場は会社の決まりを確認してください。
子どもに大人用の解熱剤を半分にして飲ませてもいいですか?
日本薬剤師会の啓発文(厚生労働省 平成14年3月8日報道発表の別紙)には「大人に処方されたものを、量を減らしたからといって子供に使用するのは大変危険です」とあります。市販薬にも「15歳未満は服用しない」と書かれた製品があるので、箱の年齢欄を確かめ、医師・薬剤師に相談してください。
夜中に子どもの熱のことを相談できる窓口はありますか?
子ども医療電話相談(#8000)があります。厚生労働省のまとめ(令和8年5月22日現在)では47都道府県で実施されていて、受付の時間帯は都道府県ごとに違います。住んでいる地域の時間帯は、厚生労働省のページで確認してください。
まとめ:今夜は「受診サイン→箱の仕分け→迷ったら相談」の順で
インフルエンザかもしれない夜、市販薬を飲んでいいか。答えを決めるのは、箱に書かれた文字と、薬剤師・登録販売者・医師です。この記事で整理した順番をもう一度並べます。
- 高熱が続く、呼吸が苦しい、意識状態がおかしいなど、受診サインがないか確かめる
- 救急箱の中身を出し、「15歳未満は服用しない」の箱、処方薬の残り、成分が重なる組み合わせを仕分ける
- 残った箱の「相談すること」「用法・用量」を読み、迷ったら箱ごと見せて相談する
- 飲んだら成分・量・時刻をメモし、受診は48時間を意識して先延ばしにしない
この記事は公的資料にもとづく一般的な情報で、個別の判断は医師・薬剤師・登録販売者にお任せください。具合が悪いときは、迷わず医療機関へ。
数字の根拠
- 厚生労働省「令和8年度冬季 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」令和8年9月30日版(2026年10月19日確認)… 流行入り8月28日・1999年以来二番目に早い、例年12月〜3月頃に流行、受診の目安、発熱から少なくとも2日間の事故防止、治療開始から少なくとも2日間一人にさせない、48時間・発熱期間1〜2日短縮、4〜5日間の発熱、発症前日から発症後3〜7日間・発症後1〜3日間、出席停止「発症後5日・解熱後2日(幼児3日)」、12月中旬までの接種、副反応10〜20%・5〜10%・2〜3日 ページを見る
- 厚生労働省 報道発表「インフルエンザによる発熱に対して使用する解熱剤について」平成13年5月30日(2026年10月19日確認)… 日本小児科学会の見解(平成12年11月)、メフェナム酸の合意 ページを見る
- 厚生労働省 報道発表「医療用医薬品の家庭における使用について」平成14年3月8日(2026年10月19日確認)… サリチル酸系(平成10年12月)・ジクロフェナクナトリウム(平成13年5月)の15歳未満への原則投与しない改訂、メフェナム酸、日本薬剤師会の啓発文 ページを見る
- PMDA「一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書等情報」(2026年10月19日確認)… イブプロフェン配合・ロキソプロフェン配合の解熱鎮痛薬の各1例(15歳未満は服用しない、併用しない薬、相談先、1〜2回・5〜6回、出産予定日12週以内)。商品名を出さないため検索ページへのリンクにしています 検索ページを見る
- 千葉県「新型コロナウイルス感染症における市販薬の服用について」令和8年1月9日更新(2026年10月19日確認)… 子どものインフルエンザの解熱はアセトアミノフェンのみの製品、相談したほうがいい場合 ページを見る
- 名古屋市「インフルエンザの受診と療養」2025年10月16日更新(2026年10月19日確認)… 15歳未満と解熱剤 ページを見る
- 日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」発熱(38℃以上)(2026年10月19日確認)… チェック項目(生後3か月未満など) ページを見る
- 厚生労働省「子ども医療電話相談事業(#8000)について」令和8年5月22日現在(2026年10月19日確認)… 47都道府県で実施 ページを見る
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