【飲み会の翌朝もお酒が残る】1杯=何時間?計算法と今夜の飲み方
「昨日の飲み会は日付が変わる前に切り上げたし、6時間は寝た。酔いももう覚めている」。忘年会や送別会が続く季節、そんな朝に車のキーを手に取って、ふと手が止まった経験はないでしょうか。
飲み会の翌朝、お酒が残るのは何時間くらいなのか。この記事では、厚生労働省や警察が公開している資料をもとに、飲んだお酒を「グラム」に、グラムを「時間」に置きかえる数え方をまとめました。
先に1つだけお断りを。ここで出す数字は、すべて目安です。「この時刻を過ぎれば運転してよい」という答えは出せませんし、出しません。翌朝に車を運転する予定がある日は、前の晩に飲まない。結論をそこに置いたうえで、今夜の飲み方に役立つ数え方を紹介していきます。
- 飲み会の翌朝、こんな不安ありませんか?
- 結論:飲み会の翌朝にお酒が残るのは珍しくない。何時間かは「1杯=時間」で見える
- 先に約束:この計算は「目安」で、運転してよい時刻は出せません
- 手順①:飲んだお酒を「純アルコール量(グラム)」に直す
- 手順②:グラムを「時間」に両替する(よく飲むお酒の両替表)
- 手順③:飲み終わりの時刻から、夜の時計に並べてみる
- 「6時間寝たから大丈夫」は通用しない:寝ている間は抜けにくい
- 水・汗・サウナで早く抜ける?答えは「ほぼ肝臓まかせ」
- 「酔いが覚めた感じ」と体に残っている量は別もの
- 同じ量でも残りやすい人:お酒に弱い体質・女性・年齢が上がった人
- 翌朝に車を運転する日は「前の晩に飲まない」が答え
- 今夜の飲み会でできること(杯数と終わりの時刻を先に決める)
- 「飲みすぎ」の線:1日・1回あたりのグラム
- 翌朝「残っているかも」と思ったら
- やりがちな失敗5つ
- よくある質問
- まとめ:1杯を時間に両替して、運転する日は飲まない
飲み会の翌朝、こんな不安ありませんか?
翌朝に予定がある日の前夜、頭のどこかでこんな計算をしていないでしょうか。
- 一晩ぐっすり寝たから、もう抜けているはず
- ビール2〜3杯くらいなら、朝には問題ないだろう
- 寝ている間も、起きているときと同じ速さで抜けている
- 水をたくさん飲んだり、汗をかいたりすれば早く抜ける
- 頭がすっきりしているから、もう大丈夫
1つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます。公的な資料と照らし合わせると、どれも「そうとは限らない」ものばかり。ひとつずつ順番に確かめていきます。
結論:飲み会の翌朝にお酒が残るのは珍しくない。何時間かは「1杯=時間」で見える
先に結論を3つにまとめます。
- ビール1本でも、時間はかかる。厚生労働省のツール「アルコールウォッチ」は、純アルコール10gが体から排出されるまでを約2.5時間としています。5%のビール500mL(純アルコール20g)なら、約5時間の計算です。
- 寝ている間は、さらに遅くなるとされる。警察の啓発資料に「睡眠中はアルコール分解速度が遅くなる」と書かれています。
- 翌朝に運転する日は、前の晩に飲まない。計算は目安にすぎず、運転してよい時刻を決める道具にはなりません。
飲み会の翌朝にお酒が残るのは、特別にお酒に弱い人だけの話ではありません。ビール500mLを3本飲めば、先ほどの目安で約15時間。夜遅くまで飲んだら、翌朝の通勤時間にはまだ体に残っている、と考えるほうが自然です。何時間かかるかは、1杯ごとに「時間」へ置きかえると見えてきます。
先に約束:この計算は「目安」で、運転してよい時刻は出せません
計算の話に入る前に、どの資料も同じ注意書きを添えている点を見ておきます。
- 厚生労働省「アルコールウォッチ」:「※分解完了時間には個人差があります。」「あくまで目安としてお考えください。」
- e-ヘルスネット(厚生労働省)「アルコールの吸収と分解」:1時間に分解できる量は「体重×0.1g程度」とされているものの、「これより低いケースも多くあります」
- 警察庁:飲酒量と呼気中のアルコール濃度の関係を説明する箇所で「アルコールの分解能力には個人差があるため、あくまで目安となりますが、」と前置き
- 広島中央警察署「交通課だより〜飲酒運転について〜」:分解時間の計算例のあとに「上記計算等はあくまでも「目安」」
つまり、計算どおりの時間がたっても、体にアルコールが残っている可能性は消えません。この記事の数字は「この時間までは残っていると考えたほうがいい目安」として読んでください。「過ぎたから抜けた」の判定には使えない数字です。
アルコールウォッチのページにも「この間の運転はやめましょう」という表示があります。時間はあくまで、飲む量を決めるための材料。そういう位置づけで使います。
手順①:飲んだお酒を「純アルコール量(グラム)」に直す
体への影響を考えるときの単位は、お酒の量そのものではなく、中に含まれる「純アルコール量(g)」です。e-ヘルスネット「飲酒量の単位」では、次の式が紹介されています。
酒の量(mL)× 度数(%)÷ 100 × 0.8(アルコールの比重)= 純アルコール量(g)
例:5%のビール500mL → 500 × 0.05 × 0.8 = 20g
厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」にも、同じ式と同じ例が載っています。度数と量は缶やびんのラベルに書いてあるので、まずはそこを見る習慣をつけると計算が楽になります。最近は純アルコール量をグラムで表示しているメーカーもあります。
気をつけたいのが、店で頼む「中ジョッキ」です。大きさは店によってまちまちで、e-ヘルスネットの換算表では中ジョッキを320mL・13gとして計算しています。家で飲む500mLのロング缶(20g)より少なめ、という目安です。
逆に、見た目より多いのがアルコール度数の高い缶チューハイ。9%・500mLなら 500 × 0.09 × 0.8 = 36g で、5%のビール500mLのほぼ2本分にあたります。「1本だけ」のつもりでも、数字の上では2杯分。度数が1つ違うだけでグラムは大きく変わる、と覚えておくと便利です。
ちなみにアルコールウォッチでは、純アルコール10gを「1ドリンク」として数えています。e-ヘルスネットによると、日本では従来、日本酒1合(約20g)を「1単位」としてきましたが、近年は「1ドリンク=10g」という基準量が提案されています。
手順②:グラムを「時間」に両替する(よく飲むお酒の両替表)
グラムが分かったら、次は時間への置きかえです。この記事では、厚生労働省「アルコールウォッチ」の「10グラムの純アルコールが体から排出されるのにかかる時間は約2.5時間」を使います。1gあたり0.25時間なので、純アルコール量(g)× 0.25 = 時間の目安という単純な掛け算になります。
よく飲むお酒1杯を、この式で時間に両替したのが次のグラフです。度数と量は一般的な例で、銘柄によって違います。
厚生労働省のアルコールウォッチの基準で計算すると、ビール500mL1本で約5時間、度数9%のストロング缶1本なら約9時間。ワイン1杯でも3時間近くかかる計算です。もちろん、これは体質や体調の違いを入れていない一律の目安です。アルコールウォッチも「分解完了時間には個人差があります」と書いており、実際にはこれより長くかかる人もいます。
2本なら約10時間、3本なら約15時間。杯数が増えれば、そのまま時間も足し算で伸びていきます。「1杯あたり何時間」を知っておくと、飲み会の途中でも「この量だと翌朝まで残りそうだ」と気づきやすくなります。
体重×0.1gの目安との違い
ネットでよく見かけるのが「1時間に分解できるのは体重×0.1g」という計算です。e-ヘルスネット「アルコールの吸収と分解」でも、一般的な目安として紹介されています。広島中央警察署の資料も同じ式で、体重50kgの人がビール500mL(20g)を飲むと「4時間かかる」と例示しています。
ただ、この式で体重60kgの人を計算すると1時間に6g、20gで約3.3時間となり、アルコールウォッチの約5時間より短く出ます。そしてe-ヘルスネットは同じページで、酵素の型や飲酒習慣などで代謝の速さは大きく変わり、「これより低いケースも多くあります」と書き添えています。短く出る計算をうのみにすると「思ったより早く抜ける」と勘違いしやすいため、この記事では長めに出るアルコールウォッチの基準で数えています。
手順③:飲み終わりの時刻から、夜の時計に並べてみる
両替表ができたら、飲み終わりの時刻を起点に、夜の時計に並べてみます。例として、次のような飲み会を考えてみましょう。
- 飲んだもの:5%のビール500mLを3本分(純アルコール60g)
- 飲み終わり:23時
- 計算:60g × 0.25 = 約15時間
23時から15時間を足すと、翌日の14時ごろ。朝7時に家を出るとすれば、そこまでの8時間で分解できるのは計算上32gほどで、まだ半分近い28gが残っている計算になります。
時刻はあくまで大まかな見積もりです。一方で、寝ている間は分解が遅くなるとされ、体質によっては計算より長くかかります。この例で伝えたいのは「14時を過ぎれば大丈夫」ということではありません。夜遅くまでこの量を飲んだら、翌朝の通勤時間には、まず残っている前提で考えるということです。
ちなみに、この「1回で60g」という量には別の意味もあります。厚生労働省のガイドラインで「避けるべき」とされる一時多量飲酒の線と同じ量なのです(詳しくは後半の「飲みすぎ」の線で触れます)。
「6時間寝たから大丈夫」は通用しない:寝ている間は抜けにくい
「寝ればリセットされる」という感覚は根強いものの、公的な資料はむしろ逆のことを書いています。広島中央警察署の「交通課だより」には、注意事項として「睡眠中はアルコール分解速度が遅くなる」と明記されていました。
JAFの会員誌「JAF Mate」のWebサイトの記事(2023年12月1日公開)でも、交通心理学が専門の金光義弘・川崎医療福祉大学名誉教授らの実験が紹介されています。記事によると、「そもそも睡眠時は、肝臓などの機能も落ちるため、アルコールの分解が覚醒時より遅くなるという」とのこと。
同じ記事では、お酒を食べ物と一緒に2時間飲食し、8時間以上の休憩・睡眠をとったあとでも、二日酔いの感覚はないのに尿中にアルコールが残っている人が7割近くいた、という実験結果も紹介されていました。さらに、同じ量を同じ時間に飲んでも、1単位を3時間で分解する人もいれば、4時間以上かかる人もいたといいます。
6時間寝たという事実は、6時間分の分解が終わったことを意味しません。寝ている時間は、起きているときより分解が進みにくい時間。そう考えておくのが安全です。眠りそのものの質を整えたい人は、睡眠のしくみと、眠りの質を上げる習慣をまとめた記事も参考にしてみてください。
水・汗・サウナで早く抜ける?答えは「ほぼ肝臓まかせ」
e-ヘルスネット「アルコールの吸収と分解」には、まさにこの誤解について書かれた一文があります。「汗をたくさんかいたり、水をたくさん飲んだりすると、アルコールが速くぬけると勘違いしている人もいます。」
同じページによると、体の外にそのまま出ていくアルコールは、呼気から0.7%、汗から0.1%、尿から0.3〜4%と、わずかな量にとどまります。そして「代謝のほとんどは肝臓で行われます」。汗をかいても、水で尿の量を増やしても、外に出せる分はほんの一部というわけです。
広島中央警察署の資料にも「大量の水を飲んでもアルコールは消えない」とあります。今回確認した公的な資料の中に、水や汗、サウナで分解を速められるという記述は見当たりませんでした。「早く抜く方法」を探すより、飲む量を決めるほうが確実です。
それどころか、厚生労働省のガイドラインは、飲酒中や飲酒後の運動・入浴などの体に負担のかかる行動を、避けるべきものに挙げています。飲酒によって血圧の変動が強まることなどから、心筋梗塞などや、転倒によるけがにつながる可能性があるためです。
お酒を分解している肝臓が、ふだんどんな働きをしているのかは肝臓の働きと生活習慣についての記事にまとめています。また、水はアルコールを速く抜く道具ではないものの、日頃の水分補給そのものは大切です。1日にどのくらい飲めばいいかは水分摂取量の目安を解説したページで確認できます。
「酔いが覚めた感じ」と体に残っている量は別もの
頭がすっきりしている、顔の赤みも引いた。それでも体の中にはアルコールが残っていることがあります。
先ほどのJAF Mateの記事では、3単位のアルコールをとった3時間後、まだ体内に残っているのに約8割の人が「酔いが覚めた」と感じていた、という実験結果も紹介されています。翌朝の「二日酔いの感覚はなくても尿中にアルコールが残っていた人が7割近く」という結果とあわせると、体感はあてにならない、というのが正直なところでしょう。
警察庁のWebサイトも「夜遅くまで飲酒した場合、翌朝には体内にアルコールが残っている可能性がありますので、車の運転は控えましょう。」と呼びかけています。すっきりした気分は、運転してよいサインではありません。
同じ量でも残りやすい人:お酒に弱い体質・女性・年齢が上がった人
ここまでの計算は平均的な目安です。次のような人は、同じ量でも影響が大きく出たり、長く残ったりしやすいとされています。
女性:e-ヘルスネットによると、女性は平均的な体重が軽いうえに体脂肪率が高く、体内の水分量が少ないため、「男性と同じ量のアルコールを摂取すれば血中アルコール濃度が高くなります」。厚生労働省のガイドラインも、女性は男性に比べて分解できるアルコール量も少ないことを挙げています。
年齢が上がった人:同じガイドラインには「高齢者は若い時と比べて、体内の水分量の減少等で同じ量のアルコールでも酔いやすく」なる、と書かれています。若いころと同じペースで飲んでいる人ほど、注意したいポイントです。
分解が遅い体質の人:e-ヘルスネットによると、5〜7%の日本人はアルコールの分解が遅い型の酵素を持っていて、多量に飲んだ翌日もアルコールが長時間残り、酒臭いことが多いとされます。遺伝子の型は自分では分かりにくいので、「翌日まで残りやすいと感じたことがある人は、この体質の可能性もある」程度に覚えておけば十分です。
アルコールウォッチの「10gで約2.5時間」も、こうした人にとっては短すぎる可能性があります。自分が当てはまりそうなら、計算結果よりさらに長めに見積もるのが無難です。
翌朝に車を運転する日は「前の晩に飲まない」が答え
何時までに飲み終えればいいか、という問いに数字で答えないのには理由があります。ここまで見てきたように、分解の速さには個人差があり、寝ている間は遅くなり、体感もあてになりません。計算で出した時刻は、運転してよいかどうかの線引きには使えないのです。
警察庁のWebサイトによると、酒気帯び運転の基準は「呼気中アルコール濃度0.15mg/l以上」。ただし「「0.15mg/l」未満でも酒気を帯びて車両等を運転することは法律で禁止されています。」とも明記されています。数値が基準を下回ればよい、という話ではない点に注意が必要です。
酒気を帯びて運転してはいけないのは車だけではありません。広島中央警察署の資料は、自転車(軽車両)も対象だと注意を呼びかけています。
また、令和8年(2026年)7月21日施行の道路交通法の改正で、酒酔い運転にも「呼気中アルコール濃度0.5mg/l以上」という数値の基準が加わりました(警察庁のWebサイトより、2026年10月時点)。
同じ警察庁のページには、「翌日に車を運転する予定があれば、それを考慮した飲酒時間、飲酒量を心がけることが重要です。」「飲酒したら絶対に車両等を運転してはいけません!」とあります。翌朝に運転の予定がある日の選び方は、シンプルに次のどれかです。
- 前の晩は飲まない
- 翌朝は電車・バスなどの公共交通機関で移動する
- 家族に送ってもらうなど、自分が運転しない手段を先に決めておく
「少しでも残っているかもしれない」と思う朝は、運転しない。迷ったときの答えはこれだけです。
今夜の飲み会でできること(杯数と終わりの時刻を先に決める)
翌朝の運転がない日でも、朝イチの会議や客先訪問がある日は、残り方を少しでも抑えておきたいもの。厚生労働省のガイドラインやe-ヘルスネットに書かれていることから、今夜すぐできることを拾ってみます。
1. 杯数と終わりの時刻を、飲み始める前に決める
ガイドラインは「あらかじめ量を決めて飲酒をする」ことを挙げ、自分で飲む量を決めると過度な飲酒を避けることにつながる、としています。行事やイベントの場でも、何をどれくらい飲むかを自分で決めておくことが大切、という書き方です。「ビール2本まで、22時でお開き」のように、数字で決めておくと守りやすくなります。
2. 1杯ごとにグラムを数える
手順①の式で数えるのが面倒なら、厚生労働省の「アルコールウォッチ」(https://izonsho.mhlw.go.jp/alcoholwacth/)を使う手もあります。2024年9月20日に公開されたツールで、お酒の種類と量を選ぶと、純アルコール量と分解時間の目安を表示してくれます。
3. 食べながら、薄めて飲む
e-ヘルスネットによると、空腹時に強いお酒をストレートで飲むと血中アルコール濃度がかなり高くなるため、「アルコールは食べながら飲むことや薄めて飲むことが推奨される」そうです。ガイドラインも、飲む前や飲んでいる間に食事をとることを挙げています。
4. 合間に水や炭酸水をはさむ
ガイドラインは、飲酒の合間に水(又は炭酸水)を飲むなどの工夫に「飲む量に占める純アルコールの量を減らす効果があります」としています。
ここで1つ念押しを。1〜4はどれも「飲みすぎない・酔いすぎない」ための工夫で、飲んだお酒を早く抜く方法ではありません。翌朝に運転する予定がある日は、やはり飲まない日にするのが前提です。
「飲みすぎ」の線:1日・1回あたりのグラム
時間とは別に、量の目安も押さえておきましょう。厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、次の数字が示されています。
- 生活習慣病のリスクを高める量:1日あたりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上(健康日本21(第三次)の目標で使われている基準)
- 一時多量飲酒:1回の飲酒機会で純アルコール60g以上。様々な病気や急性アルコール中毒を引き起こす可能性があり、けがの危険性も高めるとして「避けるべき」とされています
男性の40gは5%のビール500mLで2本、60gは3本分。手順③の例で使った「ビール500mL3本」は、ちょうど一時多量飲酒の線にかかる量だったわけです。
注意したいのは、ガイドラインが「これらの量は個々人の許容量を示したものではありません」と書いている点。40gまでなら飲んでよい、という意味ではありません。少ないほどリスクが低いという報告もある、とガイドラインは述べています。
翌朝「残っているかも」と思ったら
前の晩に予定より飲んでしまった。そんな朝は、次の順で考えてみてください。
- 運転はしない:車ではなく、電車・バス・家族の送迎などに切りかえる
- 予定を調整する:運転が必要な用事なら、時間をずらせないか相談する
- 体調が悪ければ無理をしない:頭痛や吐き気が強いときは、休むことも選択肢に入れる
市販のアルコールチェッカーは、確認の道具の一つにはなります。ただ、警察庁が書いているとおり0.15mg/l未満でも酒気を帯びた運転は禁止です。数値が低く出たことを「運転してよい」の根拠にはしないでください。
持病がある人や、薬を飲んでいる人は、お酒との付き合い方そのものを主治医や薬剤師に確認しておくと安心です。厚生労働省のガイドラインも、服薬後に飲酒すると薬の効果が弱まったりするおそれがあるとして注意を呼びかけています。
やりがちな失敗5つ
ここまでの内容を、つまずきやすい順に5つにまとめておきます。
- 「6時間寝たから抜けた」と考える:睡眠中は分解が遅くなるとされています(「6時間寝たから大丈夫」は通用しない の章)
- 「酔いが覚めた感じ」で判断する:体感と体に残っている量はずれます(「酔いが覚めた感じ」の章)
- ストロング缶を「1杯」と数える:9%・500mLなら36gで、ビール500mLのほぼ2本分(手順①)
- 水をがぶ飲みすれば平気と思う:外に出るのはわずかで、代謝のほとんどは肝臓(水・汗・サウナの章)
- 「計算した時刻を過ぎたから」と運転する:計算は目安で、運転してよい時刻は出せません(翌朝に車を運転する日の章)
どれも「時間がたてば何とかなる」「何かをすれば早く抜ける」という期待から生まれる失敗です。量を先に決める側に回れば、ほとんどは防げます。
よくある質問
Q1. ビール500mL1本だと、何時間くらい残りますか?
A. 5%のビール500mLの純アルコールは20gです(e-ヘルスネットの計算式)。厚生労働省のアルコールウォッチの基準(10gで約2.5時間)で計算すると約5時間になります。ただし分解完了時間には個人差があり、あくまで目安です。この時間を過ぎたら運転してよい、という意味ではありません。
Q2. 寝ている間も、起きているときと同じ速さで抜けますか?
A. 広島中央警察署の資料は「睡眠中はアルコール分解速度が遅くなる」としています。JAF Mateで紹介された実験でも、飲食後に8時間以上休んだあと、尿中にアルコールが残っていた人が7割近くいました。寝たから抜けた、とは考えないでください。
Q3. 水をたくさん飲めば、早く抜けますか?
A. e-ヘルスネットによると、呼気や汗、尿からそのまま出るアルコールはわずかで、代謝のほとんどは肝臓で行われます。広島中央警察署の資料も「大量の水を飲んでもアルコールは消えない」としています。
Q4. 翌朝に運転するなら、何時までに飲み終えればいいですか?
A. 時刻で線を引くことはおすすめしません。分解の速さには個人差があり、睡眠中は遅くなるためです。警察庁も、夜遅くまで飲酒した場合は翌朝に体内にアルコールが残っている可能性があるとして、運転を控えるよう呼びかけています。翌朝に運転する日は、前の晩に飲まないのが確実です。
Q5. ストロング系の缶チューハイ1本は「1杯」と数えていいですか?
A. 9%・500mLなら純アルコールは36gで、5%のビール500mL(20g)のほぼ2本分です。アルコールウォッチの基準では約9時間の計算になります。度数と量は缶の表示で確かめてください。
まとめ:1杯を時間に両替して、運転する日は飲まない
飲み会の翌朝にお酒が残るかどうかは、気分ではなく「量」と「時間」で考えるのが近道です。
- グラムに直す:酒の量(mL)× 度数 ÷ 100 × 0.8。5%のビール500mLで20g
- 時間に両替する:厚生労働省アルコールウォッチの基準で、10gあたり約2.5時間。ビール500mL1本で約5時間、3本なら約15時間
- 運転する日は前の晩に飲まない:計算は目安で、睡眠中は遅くなり、個人差も大きい。運転してよい時刻は計算では出せない
今夜の飲み会では、飲み始める前に「何杯まで・何時まで」を決めておく。それだけで、翌朝の不安はかなり小さくできるはずです。
数字の根拠
- 厚生労働省「アルコールウォッチ」(2026年10月19日確認):10gの純アルコールの排出に約2.5時間/分解完了時間の個人差/1ドリンク=10g/グラフの時間 https://izonsho.mhlw.go.jp/alcoholwacth/
- 厚生労働省 報道発表「純アルコール量とアルコール分解時間を把握するツール「アルコールウォッチ」をリリース」(令和6年9月20日、2026年10月19日確認) https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/567448000_00002.html
- e-ヘルスネット(厚生労働省)「飲酒量の単位」(2026年10月19日確認):純アルコール量の式/中ジョッキ320mL・13g/1単位・1ドリンク/グラフのグラム数 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/alcohol/a-02-001
- e-ヘルスネット(厚生労働省)「アルコールの吸収と分解」(2026年10月19日確認):体重×0.1g程度/呼気0.7%・汗0.1%・尿0.3〜4%/女性/5〜7%の分解が遅い体質/食べながら・薄めて https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/alcohol/a-02-002
- 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2026年10月19日確認):男性40g・女性20g/一時多量飲酒60g/高齢者・女性/あらかじめ量を決める/飲酒後の運動・入浴 ほか https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38541.html
- 警察庁「みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」」(2026年10月19日確認):呼気0.15mg/l・0.5mg/l(令和8年7月21日施行の改正)/翌朝・翌日の運転 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/insyu/info.html
- 広島中央警察署「交通課だより〜飲酒運転について〜」(広島県Webサイト掲載、2026年10月19日確認):睡眠中は分解が遅くなる/大量の水でも消えない/計算はあくまで目安/体重50kg・ビール500mLで4時間の例 https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/680410.pdf
- JAF Mate「酒を飲んだ翌朝、酒気が残った状態での運転に注意」(2023年12月1日公開、2026年10月19日確認):睡眠時の分解/8時間以上休んだ後も7割近く/1単位3時間〜4時間以上/約8割が「酔いが覚めた」 https://jafmate.jp/safety/accidentfile_20231201.html
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