【AIの声で家族になりすます詐欺】声では見抜けない・合言葉の決め方
電話に出たら、息子の声で「スマホが壊れて、番号が変わった」。そのあと「実はトラブルがあって、今日中にお金が要る」と続く。AIで家族の声をまねる詐欺のニュースを見て、離れて暮らす親のことが頭に浮かんだ人も多いのではないでしょうか。
先に結論を書くと、AIの声の詐欺は「声を聞き分けて見抜く」より、家族で決めた合言葉と「一度切って、登録してある番号にかけ直す」ルールで止めるほうが確実です。声が本物そっくりでも、手順さえ決めておけば落ち着いて確かめられます。
この記事では、家族で共有する「電話ルールカード」を1枚作る流れで、合言葉の決め方、かけ直しの手順、相談先、親への切り出し方までを順番にまとめました。数字や窓口は、警察庁などの公式ページ(2026年10月19日確認)で確かめたものだけを載せています。
- AIで家族の声をまねる詐欺、どんな心配が多い?
- 結論:AIの声の詐欺は「声」で見抜かず、家族の合言葉と「切ってかけ直す」で止める
- 数字で見る:特殊詐欺の被害額は1年で約2倍に
- なぜ家族の声でも聞き分けられないのか
- よくある電話の流れ3つ(スマホが壊れた・事故・警察を名乗る)
- 今日作る「家族の電話ルールカード」は4つの欄だけ
- 欄①合言葉の決め方は4つの条件で
- 合言葉の作り方の例と、使わないほうがいい言葉
- 欄②電話を切って、登録してある番号にかけ直す3ステップ
- 欄③合言葉が出ないとき・お金の話が出たときの動き
- 欄④相談先は#9110、危ないと思ったらすぐ110番
- 親にどう切り出す?怖がらせずに話す3つのコツ
- 帰省したら5分でできる練習台本
- SNSに家族の声や動画を載せるときに気をつけたいこと
- やりがちな失敗5つ
- よくある質問
- まとめ:声より「合言葉」と「かけ直す」を家族の約束に
AIで家族の声をまねる詐欺、どんな心配が多い?
この手口を取り上げた解説記事やニュースでは、似たような心配が繰り返し出てきます。よく挙がる状況をまとめると、次の5つです。
- 「新しい番号になった」と、知らない番号から家族の声で電話が来る
- 声も話し方もそっくりなら、聞いただけでは区別がつかないのでは
- 電話を受けてから「合言葉を決めよう」と思っても、もう遅い
- 決めた合言葉が、どこかから漏れたり推測されたりしないか
- そもそも親に、どう話せば嫌がられずに伝わるのか
どれも「声で判断するしかない」と思っているから生まれる不安です。逆に言えば、声以外の確認方法を家族で決めておけば、ほとんどは解消できます。ここから、その方法を1つずつ見ていきましょう!
結論:AIの声の詐欺は「声」で見抜かず、家族の合言葉と「切ってかけ直す」で止める
AIの声を使った詐欺への備えは、家族の合言葉と「かけ直し」の2本柱で考えます。順番にすると、こうです。
- 声の聞き分けには頼らない(本物そっくりでも、本人とは限らない)
- 家族だけが答えられる合言葉を聞く
- 一度電話を切り、電話帳に登録してある本人の番号へ自分からかけ直す
- それでも不安なら、他の家族や警察の相談窓口に確かめる
ポイントは、お金の話が出たら「その場で決めない」こと。合言葉もかけ直しも、相手を疑うためではなく、落ち着いて確かめる時間を作るための約束です。
もちろん、これで絶対に防げるとは言えません。それでも、何も決めていない状態と比べれば、だまされる前に立ち止まれる場面はぐっと増えるはず。後半では、この4つを1枚の紙にまとめる方法を紹介します。
数字で見る:特殊詐欺の被害額は1年で約2倍に
警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」によると、令和7年(2025年)の特殊詐欺の認知件数は27,832件で、前年より32.3%増えました。被害額は約1,423.1億円。前年からの増え方は+98.0%で、1年でほぼ2倍になった計算です。
同じ警察庁の統計データで5年分を並べると、令和3年の約282.0億円から、令和6年に約718.8億円、令和7年に約1,423.1億円と、ここ2年で一気に伸びているのが分かります。
ただし、注意したい点が1つ。この数字は電話やメールなどを使った特殊詐欺全体のもので、「AIの声が使われた件数」ではありません。警察庁の資料にも、そうした区分は出てきません。
「AI詐欺がこんなに増えた」と受け取るのではなく、「家族を名乗る電話でお金をだまし取る手口全体が増えている。そこにAIの声が加わる可能性もある」と考えるのが正確な見方です。
なぜ家族の声でも聞き分けられないのか
理由はシンプルで、AIが短い音声から声の特徴をまねられるようになったからです。CNN.co.jp(2024年9月19日)が報じた英スターリング銀行の調査(英国の成人3000人超が対象)では、次のような結果が紹介されています。
- 詐欺師はAIを使い、3秒間の音声をもとにその人の声を複製できる
- 過去1年にAIで複製した声の標的にされたと答えた人は4分の1以上
- 回答者の46%は、こうした詐欺があること自体を知らなかった
- 家族や友人から電話が来たら、不審に思っても要求された金額を送ると答えた人が8%
あくまで英国での調査で、日本の状況をそのまま表す数字ではない点には注意が必要。とはいえ、「声がそっくりなら本人だ」という前提が通用しにくくなっていることは伝わってきます。同じ銀行は、親しい人同士で簡単な「安全フレーズ」、つまり合言葉を共有しておくよう呼びかけているそうです。
アメリカでも動きがありました。ケータイWatch(2026年1月16日)によると、米国の連邦取引委員会(FTC)が家族の声をまねた詐欺について注意を呼びかけ、本人に折り返して確かめる、他の家族を通じて確認する、事前に合言葉を決める、といった対策を挙げています。
見た目や聞いた感じで判断しきれないのは、AIが作った画像も同じ構図です。判定ツールの結果すら決め手にならない話はAI画像の見分け方の記事で取り上げたので、気になる人はのぞいてみてください。
よくある電話の流れ3つ(スマホが壊れた・事故・警察を名乗る)
AIが使われるかどうかに関係なく、家族や公的機関を名乗る電話には、おおよその「型」があります。代表的なのは次の3つ。
①「スマホが壊れて、番号が変わった」
最初の電話ではお金の話をせず、「新しい番号を登録しておいて」とだけ伝える流れ。ここで登録してしまうと、次からはその番号が「家族の番号」として表示されます。だからこそ、番号変更の連絡は本人の元の番号で確かめるのが基本になります。
②「事故・トラブルで、今すぐお金が要る」
事故を起こした、会社のお金をなくした、などと言って「今日中に」と急がせます。泣いている、声がかすれている、といった様子を見せて、細かい質問をさせないのも特徴です。
③警察を名乗る
警察庁の同じ資料によると、警察官などを名乗る「ニセ警察詐欺」は令和7年に11,014件、被害額は1,005.0億円。オレオレ詐欺の認知件数14,489件のうち、ニセ警察詐欺が10,859件(74.9%)を占めていました。ニセ警察詐欺は件数で特殊詐欺全体の39.6%にあたり、家族の声に限らず「公的な立場」を名乗る手口が大きな割合を占めています。
3つに共通するのは、「急がせる」「内緒にさせる」「お金を求める」の3点です。声が誰に似ているかより、この3つがそろったら一度止まる、と覚えておくほうが役に立ちます。
手口の情報はSNSでも出回りますが、うわさや古い話が混ざることもあります。確かめるときは警察など公的機関の発表を見るのが安心で、その考え方は一次情報で確かめる習慣についての記事にもまとめています。
今日作る「家族の電話ルールカード」は4つの欄だけ
おすすめは、家族で同じ内容の紙を1枚ずつ持つこと。名前は何でもかまいませんが、ここでは「家族の電話ルールカード」と呼びます。欄は次の4つだけです。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| ①合言葉 | 「お金の話が出たら合言葉を聞く」というルール(合言葉そのものは書かない) |
| ②かけ直す番号 | 家族それぞれの、ふだん使っている電話番号 |
| ③答えられないときの動き | 「確認してからかけ直すね」と言って切る |
| ④相談先 | 警察相談専用窓口「#9110」、緊急時は110番 |
大事なのは、カードに合言葉そのものを書かないこと。冷蔵庫や電話の横に貼っておくと、来客や業者の目に入る可能性があります。カードに書くのは「聞く」というルールだけで、答えは家族の頭の中だけにしまっておくのが安全です。
紙にする理由は、電話中に焦ると、決めたことがすっと出てこないからです。目の前に「まず合言葉」「一度切る」と書いてあるだけで、次の動きを思い出しやすくなります。
欄①合言葉の決め方は4つの条件で
合言葉は、ただ決めればいいわけではありません。次の4つの条件を満たすものを選びます。
条件1:親がすぐ思い出せる
いざというときに出てこなければ意味がありません。長い文や、ふだん使わない言葉は避けて、家族の会話に自然になじむものにします。
条件2:他人に推測されない
家族のことを少し調べれば分かる情報は使いません。誕生日や住所、ペットの名前などは、SNSや会話から簡単に知られてしまいます。
条件3:SNSや人前で口にしない
家族のグループチャットに書く、外出先の電話で大きな声で言う、といった使い方をすると、どこかに残ったり聞かれたりします。決めるのは対面か、少なくとも通話の中で。
条件4:ときどき変える
同じ合言葉を何年も使い続けると、どこかで漏れていても気づけません。お盆や年末年始など、家族が集まるタイミングで見直すと習慣にしやすいですよ。
英スターリング銀行が勧めている「安全フレーズ」も、簡単で覚えやすいことを重視しています。覚えやすさと推測されにくさ、この2つのバランスがいちばんの悩みどころです。
合言葉の作り方の例と、使わないほうがいい言葉
作りやすいのは、1つの単語ではなく「質問と答え」の組み合わせにする方法。家族だけが知っている、少し変わった思い出を使うと、覚えやすく推測されにくくなります。以下はあくまで作り方の例で、そのまま使うものではありません。
- 質問「昔、旅行先で食べたものは?」→ 答え「家族だけが分かる料理名」
- 質問「子どものころのあだ名は?」→ 答え「家の中だけで呼んでいたあだ名」
- 質問「うちのカレーに入っている変わった具は?」→ 答え「家ごとのクセがある食材」
答えは、SNSに書いたことがなく、近所の人も知らないものを選ぶのがコツ。逆に、次のような言葉は避けたほうが無難です。
- 誕生日・記念日などの日付
- ペットの名前、出身校、勤め先
- SNSのプロフィールや投稿に出ている情報
- 「合言葉」「パスワード」のような、誰でも思いつく言葉
もう1つ気をつけたいのが、AIチャットに「合言葉の案を考えて」と家族の情報を入れて相談すること。入力した内容がどう扱われるかはサービスや設定によって違うため、家族の思い出や本当の答えは入力しないでおきましょう。入力した情報の行方が気になるなら、生成AIの情報漏洩の原因と対策も参考になります。
欄②電話を切って、登録してある番号にかけ直す3ステップ
合言葉と同じくらい大切なのが、かけ直しの手順です。カードの②の欄には、家族のふだんの番号を書いておきます。電話を受けたときの流れは3ステップ。
- 一度切る:「確認してからかけ直すね」と伝えて、自分から電話を切る
- 登録してある番号へかけ直す:着信履歴ではなく、電話帳やカードに書いた本人の番号に、自分から発信する
- つながらなければ他の家族に確認:本人が出ないときは、配偶者やきょうだいなど別の家族に「今そっちで何かあった?」と聞く
ケータイWatchが紹介したFTCの注意喚起でも、本人に折り返して確かめること、連絡がつかなければ他の家族や知人を通じて確認することが挙げられていました。考え方は日本でも同じです。
家族の側にも、1つお願いしておきたいことがあります。本当に番号を変えたときは、メッセージだけで済ませず、元の番号からの電話や帰省したときに直接など、確かな方法で伝えること。家族全員が「番号変更は確かな方法で伝える」と決めておけば、「新しい番号になった」という電話そのものを疑いやすくなります。
本人につながって「何のこと?」と言われれば、その電話は本人からではなかったことになります。もし本当に困っていたとしても、数分かけ直すだけで事情はちゃんと確かめられます。
着信履歴に残っているのは、かけてきた相手の番号。そこへ折り返しても、同じ相手につながるだけで確認になりません。「新しい番号になった」と言われた場合も同じで、元の番号にかけて本人が出るかどうかを確かめます。
欄③合言葉が出ないとき・お金の話が出たときの動き
合言葉を聞いて相手が答えられなかったとき、問い詰める必要はなし。本物の家族でも、慌てていれば一瞬出てこないことはあります。そこで、カードの③には「責めずに切る」ための一言を決めて書いておきます。
- 「ごめんね、確認してからこっちからかけ直すね」
- 「今ちょっと手が離せないから、あとでかけるね」
どちらも相手を疑う言い方ではないので、親世代でも口にしやすいはず。言いにくければ、カードに書いた文をそのまま読んでもらうだけで十分です。
もう1つの目安が、お金の話です。現金を用意してほしい、キャッシュカードを預かりたい、電子マネーのカードを買ってほしい。こうした話が出たら、その場では返事をせず、いったん保留にします。FTCも、暗号資産やギフトカードの番号を求められた場合は詐欺の可能性が高いと注意しています。
本物の家族が困っているなら、確認のために少し時間をかけても大きな問題にはなりません。「お金の話が出たら、一度切ってから考える」。これを家族の共通ルールにしておくと迷いません。
欄④相談先は#9110、危ないと思ったらすぐ110番
カードの最後の欄は、相談先。警察庁の特殊詐欺対策ページ「SOS47」には、「ひょっとして詐欺かも」と不安を感じたときの窓口として、警察相談専用窓口「#9110」が載っています。消費者トラブル全般なら、同じページにある消費者ホットライン「188」も使えます。
- #9110:警察相談専用窓口。怪しい電話を受けた、家族が心配といった相談に
- 188:消費者ホットライン。契約や支払いのトラブルの相談に
- 110番:今まさにお金を渡しそう、自宅に人が来るなど、差し迫ったとき
あわせて、警察庁は固定電話でできる対策も紹介しています。主なものは次の3つです。
- 番号表示・非通知拒否サービス:電話に出る前に相手の番号を確認でき、非通知の電話は鳴らずに音声案内が応答する。NTT東日本・西日本では、70歳以上の人や70歳以上の人と同居する契約者は、申し込めば月額料金と工事費が無料になる(条件あり)
- 防犯機能付き電話:着信音が鳴る前に「この通話は防犯のために録音されます」などの警告を流したり、通話を自動で録音したりできる
- 国際電話の利用休止:海外の人と固定電話で話さないなら、国際電話不取扱受付センター(0120-210-364)などで申し込める
どれも合言葉と組み合わせると、そもそも怪しい電話に出る回数を減らせます。実家が固定電話中心なら、帰省のついでに一緒に確認しておくと話が早いですよ。
親にどう切り出す?怖がらせずに話す3つのコツ
カードを作っても、親が乗り気でなければ使われません。切り出し方には少しだけ工夫が要ります。
コツ1:子ども側の心配として話す
「ニュースでAIが声をまねる詐欺を見て、こっちが心配になった。うちも決めておきたい」。主語を自分にすると、親は「守ってあげる側」として話を聞いてくれやすくなります。
コツ2:親を疑う言い方をしない
「お母さんはだまされやすいから」は禁句です!だまされるかどうかは年齢や性格だけで決まるものではなく、声がそっくりなら誰でも迷います。「家族全員でやるルール」として提案しましょう。
コツ3:5分で終わらせる
一度に全部説明しようとすると、聞く側も疲れてしまいます。帰省したときのお茶の時間や、いつもの電話の最後に「5分だけいい?」と切り出して、カードの4つの欄を一緒に埋めるくらいがちょうどいい長さです。
話がまとまったら、カードはその場で親に書いてもらうのがおすすめです。子が書いて渡すより、自分の字で書いたもののほうが「自分で決めたルール」として残りやすいからです。かけ直す番号も、親のスマホや固定電話の電話帳に正しく登録されているか、一緒に見ておきましょう。
怖がらせる話し方をすると、知らない番号の電話に出ること自体が不安になってしまいます。伝えたいのは「こうすれば落ち着いて確かめられる」という安心のほう。そこを意識するだけで、受け取られ方はずいぶん変わります。
帰省したら5分でできる練習台本
ルールは、一度声に出して使ってみると定着しやすくなります。子が「新しい番号からかけてきた家族」役、親が受ける役になって、次の台本で1回だけ試してみてください。台本は一例なので、家族の話し方に合わせて変えてかまいません。
- 子(電話役)「もしもし、俺。スマホが壊れて、この番号になったんだ」
- 親「そうなの。じゃあ、合言葉を言ってみて」
- 子(わざと答えない)「え、なんだっけ…それより急ぎの話があって」
- 親「ごめんね、確認してからこっちからかけ直すね」(電話を切る)
- 親がカードの②を見て、子のいつもの番号に自分からかける
- 子が出たら「今の練習、できたね」と確認して終わり
「合言葉を聞く」より「自分から切る」ほうが、慣れないうちは言い出しにくいもの。だからこそ、③の一言を声に出しておく練習が効きます。うまくできたら、最後に合言葉を思い出せるかも一度だけ確かめておくと完璧です。
SNSに家族の声や動画を載せるときに気をつけたいこと
英スターリング銀行の調査では、3秒間の音声があれば声を複製できるとされていました。そう考えると、SNSに公開している動画の声も、悪用される材料になりうると考えておいたほうがよさそうです。
とはいえ、家族の動画を載せるのをやめる必要まではありません。気をつけたいのは次のような点です。
- 公開範囲を「全体」から「友達のみ」などに絞れないか見直す
- 動画の中で、家族の名前や呼び方、住んでいる地域が分かる話をしていないか
- 合言葉の答えになりそうな思い出話を投稿していないか
声が出回っていても、合言葉とかけ直しのルールがあれば確かめられます。SNSの見直しは、あくまで「材料を減らす」ための一手として取り入れてみてください。
やりがちな失敗5つ
せっかくルールを決めても、使い方を間違えると効果が薄れます。よくある失敗をまとめました。
- 決めたきり忘れる:半年後には誰も合言葉を覚えていない、というのは珍しくありません。帰省や年末年始のたびに確認を
- 家族のグループチャットに合言葉を書く:スマホをなくしたり、のぞかれたりすると漏れてしまう
- 着信履歴の番号に折り返す:相手の番号にかけ直すだけで、確認にならない
- 「うちの親は大丈夫」と思い込む:声がそっくりなら、誰でも迷う。年齢や性格の問題ではない
- 電話がかかってきてから合言葉を作る:その場で決めた合言葉は、相手にも聞かれている
とくに5番目は見落としがち!合言葉は、何も起きていない今のうちに、対面か通話で決めておくもの。電話が来てからでは間に合いません。
よくある質問
Q1. AIの声は本当に聞き分けられないのですか?
声だけで本人かどうかを確実に見分けるのは難しいと考えておくのが安全です。英スターリング銀行の調査を報じたCNN.co.jpの記事では、3秒間の音声から声を複製できるとされています。声で判断せず、合言葉と登録済みの番号へのかけ直しで確かめましょう。
Q2. 合言葉はいくつ決めればいいですか?
まずは家族で1つ決めれば十分です。忘れにくさを優先し、家族が集まるタイミングで定期的に見直すほうが、たくさん決めるより効果的です。
Q3. 親が合言葉を忘れてしまったらどうしますか?
合言葉が出てこなくても、一度電話を切って登録してある番号にかけ直すルールがあれば確認できます。合言葉は1つの手段なので、かけ直しとセットで覚えてもらいましょう。
Q4. 怪しい電話を受けたら、どこに相談すればいいですか?
警察庁の特殊詐欺対策ページでは、警察相談専用窓口の#9110が案内されています。今まさにお金を渡しそう、自宅に人が来るなど差し迫ったときは110番に通報してください。
Q5. 固定電話でできる対策はありますか?
警察庁は、番号表示・非通知拒否サービス、防犯機能付き電話の導入、国際電話の利用休止を紹介しています。NTT東日本・西日本では、70歳以上の人などは番号表示・非通知拒否サービスが申し込みにより無料になる場合があります。
まとめ:声より「合言葉」と「かけ直す」を家族の約束に
AIで家族の声をまねる詐欺は、声を聞き分けて見抜こうとするほど迷いが生まれます。頼りにしたいのは声ではなく、家族の合言葉と「一度切って、登録してある番号にかけ直す」という約束です。
今日できることは、次の3つ。
- 4つの欄(合言葉のルール・かけ直す番号・答えられないときの一言・相談先)の「家族の電話ルールカード」を作る
- 次の帰省か電話で、親と5分だけ合言葉を決める
- 練習台本で1回だけ、「切ってかけ直す」を試してみる
備えておけば、いざというときに落ち着いて確かめられます。まずは紙を1枚用意するところから始めてみませんか?
数字の根拠
- 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(2026年10月19日確認)… 特殊詐欺の認知件数27,832件(+32.3%)、被害額約1,423.1億円(+98.0%)、ニセ警察詐欺11,014件・1,005.0億円、オレオレ詐欺14,489件のうちニセ警察詐欺10,859件(74.9%)、相談窓口#9110・188 ページを見る
- 警察庁「特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等(令和7年・確定値)」統計データ(2026年10月19日確認)… 令和3〜7年の実質的な被害総額。グラフの出典 ページを見る
- 警察庁 SOS47「固定電話の番号表示・非通知拒否サービス」(2026年10月19日確認)… 70歳以上などの無償化の条件 ページを見る
- 警察庁 SOS47「防犯機能付き電話の導入」(2026年10月19日確認)… 警告メッセージ・自動録音 ページを見る
- 警察庁 SOS47「みんなでとめよう!! 国際電話詐欺#みんとめ」(2026年10月19日確認)… 国際電話の利用休止、国際電話不取扱受付センター0120-210-364 ページを見る
- CNN.co.jp「AI生成のクローン音声使ったなりすまし詐欺、『数百万人』が狙われる可能性 英銀行が警告」(2024年9月19日)… 英スターリング銀行の3000人超の調査、3秒・4分の1以上・46%・8% ページを見る
- ケータイWatch「AI音声クローンで『家族の声』で詐欺、米国FTCが注意喚起」(2026年1月16日)… FTCが勧める確認方法 ページを見る
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